号泣必至!!超泣ける話200話超デラックス

号泣必至!!超泣ける話200話超デラックス

*

『ありがとう』しか言えなくて

   

私が2人目を出産するちょうど1ヶ月前に父は他界しました。
病気が発見された時、すでに余命1ヶ月と診断されていたそうです(告知せず)
きっと家族で過ごすお正月はこれが最後でしょうから入院はお正月明けにしましょう
とゆうことになりその年のお正月は親戚一同で楽しく過ごしました。
集まったみんな、顔で笑って心で泣いて…。

父が入院してから毎週お見舞いに行きました。会うたびに痩せてゆく父、
ベット脇のロッカーをそっと開けると父の一張羅の見慣れたスーツが吊るしてありました。
『あぁ これを着て家に帰ることはもうないんだな…』と思ったらすごくすごく哀しくて
涙が溢れてきました。
父に悟られないよう廊下で泣きました。

私は父と色々な話をするのが大好きでした。父はその日にあったことをおもしろ
おかしくよく私に聞かせてくれて笑わせてくれました。
姉や妹はとても甘え上手です。ベットの父に抱きついては退院したらね…等と
退院した時の話をするのです。でも私はできなかった…生きて退院するはずのない父に
そんな話、できなかった。本当はもっともっと父に甘えたかった。いっぱい話したかった。
姉や妹が羨ましかった…。

ベット脇に立っていると父がそっと私の大きなお腹をさすりました。
口下手な私はココでも気の効いた言葉をかけられなかった…。
さりげなく廊下に出て涙をぬぐうことしかできなかった…。

幸い、父は苦しまずにこの世を去りました。
結婚式の前の晩、シングルベットに並んで手を繋いで寝たこと忘れません。
この時も何も感謝の言葉が言えず『ありがとう』しか言えなくてごめんなさい。

父のお葬式の1ヶ月後に生まれた次男も今年から1年生です。
って知ってるよね?いつでも側に居てくれてるような気がするもん。

 - 父の泣ける話

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