号泣必至!!超泣ける話200話超デラックス

号泣必至!!超泣ける話200話超デラックス

*

抱っこの記憶

   

子どもの頃、親父の膝で抱っこされるのが好きだった。
海水浴や動物園に行った帰りの電車で親父に抱かれてうつらうつらしてた幸せな記憶を今でも思い返す。
親父の胸に頭をくっつけると、あったかくて、ぎゅっと抱かれると不思議と安心した。
でもさすがに10歳くらいになると親父が重たがるようになったから、止めたし、
まあ、その後はお決まりのように反抗期で口を聞かなくなり、
20歳を過ぎてから普通に会話するようになりといった具合に普通の親子関係だった。

んで、親父が定年を迎えるから、海外旅行でも行こうかと相談してたら、
突然、検査で親父が胃がんだと告げられて、末期で治療もできないと言われ、
親父は、ほんとにあっという間にやせ衰えて、しなびたようになってしまった。
でも、せめて最期くらいは家で過ごさせてやりたかったから、退院させたんだけど、
もう歩けないくらい衰弱してたから、俺が抱えて車に運んだ。
そしたら親父が「いつも俺に抱っこしてもらいたがってた、お前に抱っこしてもらえるとはなぁ」
なんて嬉しそうに言うから、俺も家族も泣きまくった。

臨終の時に親父は、すごく安らかな顔をしてた。
今、俺の膝の上には5歳の息子が乗ってる。
俺もこいつに抱っこされて死ねたら、
きっと、それまでの人生全部いいものだったって思える気がする。

 - 父の泣ける話

  関連記事

no image
ダメな父親

その日父さんは、いつものように母さんと激しい口ゲンカをしていた。

いつも自分のココロの中で、ひそかに思っていた。

「こんな親にぜってぇならねぇ。いつか出て行ってやる…。」

母さんは酒に狂って…

no image
父からもらったドーナツ

学生時代、書類の手続きで1年半ぶりに実家に帰った時のこと。

本当は泊まる予定だったんだが、次の日に遊ぶ予定が入ってしまったので
結局日帰りにしてしまった。

母にサインやら捺印やらをしてもらい、帰ろ…

no image
顔も知らない父

自分は父の顔を知らない。

自分が2歳の頃、交通事故で死んだそうだ。

母に
「お父さんの名前、なんて―の?」
「お父さんの写真、見して!」
「お父さん、メガネかけてたの?」

とか聞いても、黙っ…

no image
親父の時計

大学が決まり一人暮らしの前日の日、親父が時計をくれた。

金ピカの趣味の悪そうな時計だった。

「金に困ったら質に入れろ、多少金にはなるだろうから」

そういってた。

二年生のある日、ギャンブル…

no image
寿司の達人

うちの親父はかなりボケが進み 脳味噌プリン状態

息子である俺の顔もわからんようだが台所に立たせると、スイッチが入ったかのように豹変し、マシーンのように一切無駄な動きをせずに、酢飯の仕込みから魚の…

no image
大好きなお父さん

去年の10月、5年前に肺癌を患い長い闘病生活を続けていた父がなくなった。60歳だった。

私は一人っ子で、とても可愛がられて育ったと思う。父と母は22歳で結婚したが、母が子宮の病気を患ったり不妊症治…

no image
横になったビール

ビールは横に冷やすとうまい、と父は言っていた。

そんなわけはないと、と言っても聞かず、冷蔵庫に決まってビールを横にして冷やしていた。

酒以外煙草もギャンブルやらない親父にとって、ビールに関…

no image
8月15日

頑張るじいちゃん

物心ついたころ、とにかく頑張る父だった。(今わ孫が生まれじいちゃんになった。)
私が小学生の時から毎日残業×2帰ってくるのは深夜。
タバコも止め、お酒わたまーに呑む程度… 家のた…

no image
お父さんの携帯電話

嫁さんのお父さんが亡くなった。。。

癌だった。

嫁さんは最後の一ヶ月付きっきりで看病し、病院で寝泊まりしていた。

嫁さんにしてみれば、それほどに愛したお父さんだった。

葬儀が済み、四十…

no image
生んでくれてありがとう

友達と女4人で焼肉屋で飲んでた時。

経緯は忘れたけど、ジャンケンで負けた人が親に電話して
「生んでくれてありがとう」
を言う、って流れになった。

電話つながった時から上の台詞を言うまで…