号泣必至!!超泣ける話200話超デラックス

号泣必至!!超泣ける話200話超デラックス

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鯛焼き屋

   

幼い頃、親父は家にお金を入れなかった。
手先の器用なお母は、バッグやアクセサリーなど小物を作って、
隣町の繁華街まで行って路上で売ってた。
いつか、俺もいっしょに行った時の事、
目の前で焼いていた鯛焼きが珍しくてずーっと見ていた。
食べたかった訳でもない。鯛焼きを作る作業が面白かったのだ。
母の方は、一つも売れる様子が無く、早めに店を畳んだ。
そして、鯛焼きを一つ買ってくれた。美味しかった。
母にも分けてあげようとしたが、自分はお腹がいっぱいだと言ってた。
帰りの電車賃は無く、夕暮れの中、数キロの道を歩いて帰った。
片手で母と手を繋ぎ、片手で鯛焼きをほおばりながら。
歩きながら母は歌を歌ってくれた。「砂山」という歌だったと思う。
楽しくて幸せな帰り道だった。

小学生の時、両親は離婚した。そして、母は、早朝から夜中まで365日働きつづけた。
俺と妹を育てるために。俺を大学にまで行かせてくれた。

そんな母が先日亡くなった。過労死だ。
親孝行など何一つしていない。
孝行したい時には親は無し、などとは言うが・・・

鯛焼き屋の前を通っただけで涙が込み上げる。

 - 母の泣ける話

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