号泣必至!!超泣ける話200話超デラックス

号泣必至!!超泣ける話200話超デラックス

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腹の虫

   

当時、学校の土曜日授業は午前中までだったので
お昼ゴハンは家で食べるのが常でした。
いつもの土曜日、元気よく俺が帰ると
土曜日は居るはずの母さんが居ませんでした。
どうやら出掛けたのでしょうか、俺はマンガを読んで待ってました。
ですが腹の虫は待ってくれません。
何か食べる物はないかと台所を漁りましたが、
なんせ1年生の俺は料理はてんでダメ。手軽に食べられる物もありませんでした。
次にお菓子棚を見ました。あいにくお菓子は品切れでガックリ状態。
唯一、ロールパンという一袋8コ入りのパンを発見。
俺はやったーと思いつつパンをパクッとひとかじり。
ところが乾燥してるというか何と言うか、とにかくマズかったので
ひとかじりで諦めました。
もう昼ゴハンはいいや、と思った俺は友達と遊ぶ約束をしてたので
時間が早いとは知りつつも外に飛び出していきました。

友達とひととおり遊んで夕方が近づいた頃
昼ゴハンを抜いたせいもあったのか腹の虫がグーグー鳴りっぱなしでした。
「あー お腹減ったなぁー」と晩ゴハンを期待しながら、
普通に「ただいまー!」っと家に入りました。
するとそこには目を赤く腫らし、号泣している母さんがいました。
俺を見るなり「ゴメンね~」と抱きついてきました。
???の俺。 どうしたの?と隣にいる姉に聞くと以下のとおり。

母さんはパートをやっており土曜日は大抵休みか昼上がりなのですが
今日は大量の仕事を頼まれてしまい
ついお昼の時間を忘れて仕事に没頭してしまったのだそうです。
慌てて帰ると俺の姿は無く、残っているのはひとかじりした腐れかけのパン。
俺がどんなにお腹を空かせていたのか、
俺がどんなに寂しかったのかを思うと涙が止まらなくなってしまったそうです。
ふと見ると、テーブルの上にはのびきってスープなど無くなってしまったラーメン。
俺が戻ってきたら食べさせてあげようと急いで作ったそうです。
俺はそんな事全然気にしてなかったケド、何故か涙が出てきて、
「大丈夫だよ、お腹減ってないよ」と言いました。

その日の夕飯はカレーでした。俺の大好物です。
その日、その日の夕飯の内容なんて覚えてないけど、
その時のカレーの味だけは今でもハッキリと覚えています。

母さんは俺が19才の時、今から8年前に他界しました。
あのカレーが食べれないと思うとチョット寂しいですが
母さんからもらった「優しさ」はいつまでも俺の中にあります。
そして俺も今年で2児のパパになります。
「優しさ」を子供たちも受け継いでくれればと思います。
とにかくガンバリます!

 - 家族の泣ける話

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