号泣必至!!超泣ける話200話超デラックス

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*

ママを産んだのは

   

私が4歳の時、父と母は離婚した。

祖父母と同居していたため、父が私を引き取った。

母は家を出て行く日に私を実家に連れて行った。

家に戻ると母はドアの所で

「おばあちゃんちに又行かなきゃいけないの

そう言った。

「いつ帰ってくるの?」

と聞くと困った顔をして少し黙り

「日曜日かな?」と答えた。

疑いもせずに私は笑顔で手を振って送り出した。

日曜日がいつかも知らなかった。

それから私は祖母に日曜日がいつかを聞いては、

玄関で待つ日々が続いた。

何回か繰り返したある日、

母以外の家族全員が揃う夕食の時間に私は聞いてみた。

「あのね、ママが帰ってくる日曜日っていつだか知ってる?」

食卓が凍り付いた。

それまでの笑顔が全く消え

みなが押し黙って目を伏せた。

「私、うっかり聞くのを忘れちゃったのよー」と笑いかけたが、

誰1人笑ってはくれなかった。

それ以来、

私はママの話しは絶対にしないようにしてから

もう30年が経つ。

結婚式にも呼ぼうとはしなかった。

今では、1歳の娘と5歳の息子がいる。

先日、5歳の息子が

「ねぇ、妹と僕を産んだのはお母さんだよね?」

と聞いてきた。

「パパを産んだのはばぁばだよね?」

「ママを産んだのは誰?」

「おばあちゃんよ、
  でもどこにいるかわかんないから会えないのよ」

「僕会いたいなぁ」

「どうして?」

そこまでは平気な受け答えだった。

「ママを産んでくれてありがとうって言わなきゃ!」

(うん、会いたいねぇ)と言うはずだったのに

涙が止らなくなってしまった。

ずっとずっと封印してきた言葉。

育てられないなら産まなきゃいいのにって思ったこともあった。

ありがとう息子。

私はやっと素直になれそうだ。

 - 家族の泣ける話

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