恐怖!!絶対見てはいけない!!本当にあった怖い話200話超デラックス

恐怖!!絶対見てはいけない!!本当にあった怖い話200話超デラックス

*

トンネルの上の廃病院

   

中学生くらいの時の話。

当時中の良かった4人で、肝試しすることになったんだ。俺の他をA・B・Cとしておこうか。
夏だったし、地区にあるトンネルの上に丁度良さげな廃病院があるってんでさ、その日の深夜にいくことにした。
結構距離があったけど、自転車でいったのよ。

で、トンネルの前まで着いて横から階段を登る。暫く草を分けて進んでくと病院が見えてきた。
まだ結構距離あるなぁなんて思ってたら、Aが目標を目前にして、
「すまん、やっぱり絶対入りたく無い。気持ち悪い」
って言い出したんだけど、残りの2人がテンション上がり切ってて、
「勿体ないよ此処まで来たのに。俺たちだけでも行っちゃうよ?」
「此処で待ってる方が怖く無いか?」
って言ったんだけど、どうしても無理らしい。

「いいよ、三人で行って来てくれ。トンネルの前で待ってるから、ごめんな。
 つか本当にいくの?やめといた方がいいよ」
トンネルも一応心霊スポットで有名なんだが、そっちの方がマシだとまで言う。
俺はそれで少しびびっちゃったんだけど、
「そか、わかった俺たちだけで行くよ」
『俺たち』の中に俺も入ってんだろうなぁと思い、もう着いていくことにした

「なんかあっても、絶対自分たちでなんとかしようと思うなよ。
 後で誰か連れて来た方がマシだから、すぐにげてこい」
Aが言った。俺は完全にとどめを刺された。

また暫く歩いて、やっとこさ前までついた。
「うほー雰囲気あるなぁ!」
Bは楽しそうだが、俺はさっきAに言われたこともあって、かなりビビり始めていた。
「だれかいますかぁー?きたねぇとこですねー。うわぁボロボロ」
Cは楽しそうに病院に入っていく。おれはタモリの怖い話を思い出してしまう。
「いたらどうすんだよ、やめとけ」
「録音してるわけじゃないんだから。大丈夫だろw」
一階には手術台?以外特にめぼしい物がなく、二階に上がることにした。

階段を上がって右手に廊下が伸び、その突き当たりで廊下が右に折れていた。
なんかわからんけど、そこがどうしようもなく怖くて、気持ち悪かった。Aの気持ちが分かった気がした。
「も…もういいだろ?帰ろうぜ」
「あそこだけっ調べてっ来るわ、怖いならお前もうここにいろよっ」
Cが妙に冷たく、たまに何かを飲み込む様に言い放った。

BどCが廊下を慎重に進んで行って、角に差し掛かった。
Bが膝からゆっくりうつ伏せになり、Cは廊下の先を見つめて
「フーッ……フーッ……」
深呼吸の様な、変な息の吐き方をしだした。体に動きがなかったから、吐き出してたのか。

Aの言葉を思い出す。俺には何もできないんだと自分に言い訳をしながら、咄嗟に逃げ出した。
いまやさっきの気持悪い感じが、病院全体に広がってる気がした。
「っおォっ……グッぶっ……ごェえ……」
何か吐き出そうとしているが、何も出てこない。そんな嗚咽が聴こえてきた。Bの声だ。

直後に妙にはっきり、
「んぁ……カ……っカ……り」
音声に、ストロボかトレモロを当てた様な声が聞こえる。
BかCがおかしくなったのかと思っていたが、今でもわからない。

走りたくなかった。出来るだけだれにもに気付かれず、逃げると言うよりもその場を離れたかった。
やっと病院を抜けて全力で走り出し、Aのところまでたどり着く。

「やばい!どうしよう!あいつらが、その!倒れちゃって!あの!どうしよう!」
「俺たちだけで帰ろう」
「ふえぇ!?」
肩透かしを食らった。

「俺たちじゃどうしようもねぇよ。仮に霊が見えたとして何ができんの?
 急ぐぞ。俺たちまで倒れるようなことがあったらそれこそどうすんのさ?」
「いや、あっ!でもっ!!」
こんな時にいやに冷静だし、正論すぎて反論できなかった。

「おぃーなんでおいていくんだよ!w」
寒気がした。BとCだ。ヘラヘラして階段の上に立っている。
「おまえら大丈夫かよ…?」
笑顔で近づこうとすると、すごい力でAに腕をつかまれた。
普段からアイラインを引いたように目がぱっちりした奴だが、いつにもまして大きくなっていた。
「おーい。おまえらそこにいろ、別々に帰ろうぜ」
そう言うや否や、Aが自転車にまたがった。
「いそげ、にげるぞ」
俺に囁いた。『帰る』から『逃げる』に言葉が変わっている事で、事態を把握した。
BとCが何やらわめいているが、俺たちは全力で自転車を漕ぎだした。

「別にあいつらにおかしいとこはないのかもしれない。気持悪い感じもしなかったしな。
 でもお前息切らして走ってきたのに、あいつらに全然疲れてなかったろ?
 つか、時間的にもおかしいんじゃ無いか?」
言われればそうだ。また怖くなってきた。

「取り敢えずO神社行こう。最悪今日は泊めてもらおうな」
Aはずっと無表情で、俺をあやす様に言った。俺は泣き出してしまった。

階段を駆け上がり境内に入った。
「すみません!誰かいませんか」

Aが叫ぶと、不機嫌そうなおっさんが出てきた。
「何時だと思ってんだ!ややこしいもん連れてきやがって!クソガキが!何やらかした!」
よかったよかった。ここの人は本物らしい。

一通り起こったことを俺が話すと、
「その友達は外まできてるみたいだぞ。ここまで入ってこないとこをみると、そう言うことなんだろう。
 今日はここで寝ろ。そんな得体のしれんもん、俺にはどうにもできんし、調べるつもりも無い」

その日、泣きながら眠りについた。
残りの夏休みは、妙な罪悪感に苛まれながら過ごした。
BとCには意図的に会わないようにした。

そしてその年の冬、Cは授業のマラソン中にコースを外れて、神社の階段の途中にある、大きな灯篭に押しつぶされて死んでしまった。
大人でも倒すのは到底無理なほど大きい。

Bは一昨日、他府県から地元に帰ってきたが、家には顔も見せず、『ただいま』という留守電を両親に遺し自殺した。

この話を書こうと思ったのはBが死んだからなんだ。
んで、次は俺なんじゃないかと思ってる。

後日談的なもの~
夏休みが終わり、新学期が始まった。
あいつらとは同じクラスだから、如何しても会わないといけない。
Aにすがり付きながら朝登校すると、2人が話しかけてきた。

「あの病院のさ!お前が怖がって見なかった部屋あったじゃん?」
「あそこすげーきれいでよ、嘘みたいに」
「ベッド1つ置いてあっただけだったんだけど、見惚れるほどきれいだったよ!何かわかんねぇけど。
 死ぬまでに見といたほうがいいよ。絵画みたいだった!」
2人はうれしそうに話す。Aが病院の話はやめようと言い、2人は少し反省していた。
2人が死ぬまで俺たち4人は、鏡台みたいに仲良く遊んだ。

話をしようと思ったもう一つの理由がある。
Aと2人で、もう一度あそこに行こうという話しになったんだ。
決行は明日。さすがに昼に行くし、除霊グッズはもってくつもり。

昨日、廃病院の話を投下したものです。続きってかまぁ、さっきの話。
結果だけ先にいうと、病院にはいけないんだ。すまんね。

俺は、個人的にあの部屋をみて見たかったんだ。
それに友達が死んでるし、何かやっぱり、やりきれ無いと言うか、
まぁあの2人の死はなにも関係なかったのかもしれないけど。

そんなこんなで、「明日行くんだし準備しようぜ」って、Aと一緒に昼飯食った後、探り探りで霊に効きそうなものをホームセンターで買って、Aの家に行った。
んで、Aは車出せるから「それで行こうかー」なんて話してたんだ。

「あっ、言ってなかったんだけど」
「ん?」
「あの後、部屋に行ったんだ」
「おいー!」
「あいつらの説明聞いて気になって。
 んでO神社の人、あの後取り付く島もなかっただろ?だから、なんとかしようと思って…
 夏休み中に行ったんだ。
 流石に昼に行ったよwつか俺自身霊が見えるわけでもないんだ。雰囲気で危ないかどうか分かるだけ。
 だからなんか対策立てようと思って、Sと電話しながら行ったんだ。
 役に立つかはわかんなかったけどねw」

Aが用意した『S』は当時まだ小学生で、
事故現場を通り過ぎただけで、どんな人が死んだか、何人死んだか分かるくらい、はっきり見える女の子。
Aの親戚の友達と言うわけのわからない関係だが、親戚にくっついてAの家によく来るらしい。

ある日、Aが携帯を忘れて家を出て、帰りが遅くなった時に、Aの母が
「どこにいるんだろねー」なんて言ってると、
「なんかいまうるさいとこにいる。あれ?A髪切ったの?あと中途半端な金髪の人がいるね」
と言った。

その日Aは散髪後にカラオケへ行き、金に染めた頭がプリンになり始めた俺といたのだ。
これ以来Aは、不思議な事が起こるとSに相談する。

以下Aの話
電話しながら病院の前までつくと、流石に昼時だけあって雰囲気はだいぶ優しかった。

「今から病院に入るけど、大丈夫かな?」
「わかんない。大丈夫じゃない?ほんっとに1人も居無いよ」

これはフリか?
Sの言葉に不安になりながら、Aは入って行った。
話を聞いただけで実際に入るのは初めてだったから、入り口から入ってすぐに左に曲がって廊下を進んでしまう。
俺たちが登った階段は真ん中で折り返してたから、構造的にAが進んだ廊下はあの時の廊下の真下になる。

「ん、二階かな?」
Aが「昼でもやっぱ霊とかいるの?」と聞くと、
「時間帯は関係ないよ。タイミングが大事。わかる?」

別に会いに来たわけじゃ無いが、意を決してAは二階に上がった。

「…思ってたよりずっと怖いわ」
だれに言うでもなく声をだした。

あの先になにがあるんだろう。2人は何に苦しんだのだろう。
Aは廊下の先を睨みつけながら歩いて行った。

「今んとこなにもいないよ。もうやめたら?」
もう一歩踏み出して、体を右に向ければ部屋が見えるところまでついた。

「ちょっとわかんない。多分何もいないけど、もう帰ったら?ねえ?きいてる?」
Aはもはや聞いていない。

「その部屋なんっもなくてさ、まぁ入り口から見ただけなんだけでわかんねぇけど、
 赤のペンキが塗りたくってあった。
 部屋のどこまでそうなのかはわかんない。遠目に一瞬だけ見てすぐに帰ってきた。
 流石に入れなかったよ、怖すぎ。無理無理。なにも出来ない。
 Sに聞いたら、天井まで身長が届いて、首を少し傾げてる、髪ぼっさぼさの女がつったってたってさ。部屋の奥にね。
 俺の方振り向こうとした瞬間、俺がにげたんだってさ。
 Sにも悪い事したよ。暫くうなされたって。カクカクした声が聴こえるんだってよ」

Aが語り終えた。
なんだか死にに行く様な感じがしてきた。

「とにかくさ、お前が行きたいって言った理由の一つは潰したよ。あそこに綺麗な部屋なんか無い」
「つかおかしいんだよ、あんなところに病院がある事自体。
 この辺に俺たちの団地以外住宅は無いじゃん?
 ほんの数十年前に山を切り開いて、ベッドタウンにしたわけだ。トンネルだってそうだろ。
 どのタイミングで病院が建って、いつの間に廃墟になるの?
 あんなとこに、だれがはるばる診察に行ってたんだよ」

Aが興奮気味になってきた。
「正直、行きたく無い。
 いまんとこ俺たちには何も無いし、直接は気味悪い部屋見ただけだから良いけど……。
 別に死ぬのはあんまり怖くないし。でもあそこで死ぬのは絶っ対……嫌」

自分でもどうしたいのかわからなくなっていた。
「ぁ、へんな金髪野郎!」
Sが入ってきた。本当に偶然今来たらしい。

「おっきくなったなぁー。つか、よく覚えてんなw」
少し場が和んだ。Sは今高校生で、えらくポップでおしゃれになっていた。

「あそこ行こうとしてんでしょ?やめときなよ」
急に真顔になって、ベッドに座り込む。

「あたしたちは普通なの。特別でも何でも無い、もうほんとに普通。『何者か』ではないの。
 Aはたまたまタイミングを外したから無事なだけ。つか、連れて帰ってきたら家いれないよ。
 洋画に出てくる様な、陽気な黒人ポジションには立てないのよ。絶対すぐしんじゃう」

妙に説得力があった。

で、今に至る。
結局SがA母にチクったため計画は駄目になったが、Aはホッとしてる様に見えた。

その日、O神社に3人でいった。あのおっさん以外で、協力的な人間が居ないものかと考えたのだ。

「私はここに来てまだ日が浅いから、その病院は知らない。
 でも何というか、この辺り一帯が気持悪いね。この団地中になんか変なとこいっぱい無い?」

その日おっさんは居らず、何だか気さくなねーちゃんが話をきいてくれた。
言われたとおり、変な箇所はいくつか思いついたし、そう言えば自殺もかなり多い。

「こうやって神社にいるけど、マニュアル通り対処出来る事なんてまぁ稀なんだよ。イレギュラーばっか。
 だからあんまり危ない事されてもねぇ」

O神社を出て、小学校の前を歩いていた。
もう真っ暗で、何気なく小学校を眺めると、警備員の人が窓際を歩いている。
窓の連続が途切れる、丁度消火栓が壁に埋め込まれているゾーンに彼が差し掛かった。
反対側からは誰も出てこなかった。

「いま見えたでしょ?案外怖くないもんだよね、何もしてこないし」
Sが俺に微笑む。
今日、俺は初めてユウレイを見た。

SとAには、その後沢山不思議な話を聞いて別れましたとさ。

 - 病院

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