恐怖!!絶対見てはいけない!!本当にあった怖い話200話超デラックス

恐怖!!絶対見てはいけない!!本当にあった怖い話200話超デラックス

*

アメリカでサマーキャンプ

   

知り合いの話。

アメリカへ家族で出張していた時のことだ。
長期休暇を利用して、職場仲間の家族とサマーキャンプへ出掛けたのだという。
キャンプは楽しく過ごせ、彼の家族も喜んでいたのだが、
最終日の前日、子供たちが口々に「おかしなものを見た」と言い始めた。
「エレファントマンがいた!」
子供たちは興奮したような口調で、そう声高に叫んでいた。
聞いてみると、森の端から大きな黒い人影がテント地を覗いていたという。
人型ではあったが服は着ておらず、黒い皺だらけの肌はとても人間のものとは思えなかったらしい。
更に不気味なことに、そいつの顔からは、まるで象のように長い鼻がずるりと下がっていたというのだ。
そのためアメリカ人の子らは、そいつのことを「エレファントマン(象男)」と仮に呼んだのだが、
彼の子供だけは自信たっぷりに、次のように言い切った。
「アレは忍者怪獣サータンだよ、僕テレビで見たから間違いない。
 アメリカにもいたんだね」
そう言って片時も離さない、ウルトラマンの怪獣図鑑を見せて説明してくれた。
「おい、本当にそんな風体の怪物が見えたっていうのか!?」
「いや熊を見間違えたのかもしれないぞ」
何にせよ、かなりの大きさの動物がいたことに違いはない。
大人たちがバタバタと撤収を急ぎ出す横で、
子供たちはニンジャという響きが気に入ったのか、「エレファントニンジャ」を見たと盛り上がっていた。

帰宅してから後、顔見知りの自然保護官と飲んだ際、この話をしてみた。
「やっぱり、何かの野生動物を見間違えたんだろうけど。
 でも結構大きい動物が、家族の周りを彷徨いているっていうのは怖いしね。
 予定を一日切り上げて帰って来ちゃったよ」
そう笑いながら話したのだが、しかしインディアンの血を引く保護管は、真面目な顔をしてこう返してきた。
「うん、恐らく見間違えなんだと思うよ。
 あの辺りでは野生動物による害って報告されていないし。
 でもね、少しでも危ない予感がしたら、即対応するのが当たり前だよ」
更にこう続ける。
「確か、イロコイ族の一氏族だったと思うんだけど、彼らには奇妙な怪物の言い伝えがあるんだ。
 彼らで使うインディアン語の名前もあるんだけど、そこまでは知らない。
 僕が知っているのは、『ロング・ノーズ(長鼻)』っていう呼び方だけだな。
 長い鼻が特徴的な、大きな人型の怪物なんだって」

それを聞いた彼は、
「へぇ、捕まえていたら一躍スクープだったかも」と冗談めかして答えた。
保護管曰く、
「止めといて良かったと思うよ。
 こいつ、伝わるところによると、子供喰らいらしいから」
このロング・ノーズという怪物、人間の子供ばかりを襲って掠うのだそうだ。
足がとても速く、人一人を抱えているのに、どの戦士も追い付けないという。
一度掠われたらまず手遅れで、人数を集めて山狩りをしても、貪り食われた子供の遺体が森の中に見つかるだけ。
嗅覚が非常に鋭いようで、人の匂いを嗅ぎ付けると姿を隠してしまう。
「だからその氏族の者たちは、酷くこの怪物を恐れていたそうだよ」

そういう保護管の説明を聞いている内、全身に鳥肌が立っていたという。
その後の酒の味は、よく覚えていないそうだ。

 - いいつたえ・しきたり

  関連記事

no image
魔界へ行く遊び

僕が小学生のときに実際にあった話なんですけど、十二歳くらいの頃だったと思います。
朝学校に行くと、渡り廊下の隅で男子が数人集まって何か小声でしゃべってるんです。
遠くから見てもなんだか重い雰囲気が伝わ…

no image
首刈り地蔵

小学生の頃、両親が離婚し俺は母親に引き取られ母の実家へ引っ越すことになった。
母の実家は東北地方のある町でかなり寂れている。
家もまばらで町にお店は小さいスーパーが一軒、コンビニもどきが一軒あるだけ。…

no image
龍王山

ざっと14年くらい前の話。
俺は奈良の天理市ってところに住んでたんだけどさ、当時5歳の俺は保育所に通ってたんだわ。
んで保育所の遠足で、天理市と桜井市の境目にある龍王山って所に行ったのよ。
この龍王山…

no image
桜舞い散る山道

私の家には奇妙な風習がありまして、何故かよく宴会を墓場でやることがあります。
墓場は自宅の裏山にあり、基本的に私の家系の墓しかありません。
唯一近くにあるのは道祖神さんの碑があるだけでして、周囲に…

no image
小さな家

叔父に聞いた話。

約40年ぐらい前、A県A郡にあるS山にテントの設営練習の為、友人5人と入った。
麓に神社があり、山道は散策の為に整備されている。
一旦道をはずれ、森の中の平地にテントを設営し、一泊…

no image
九死霊門

私の実家がある地域は山が多く、沢山の特徴があるのですが、野生のクマが生息していることでも有名な地域です。
春から秋にかけては、都会から温泉や観光の目的で多くの客が訪れます。
ここら辺の集落では、昔か…