恐怖!!絶対見てはいけない!!本当にあった怖い話200話超デラックス

恐怖!!絶対見てはいけない!!本当にあった怖い話200話超デラックス

*

そこ

   

父方の実家の話。
山陰では比較的有名な観光地の近くだが、(最近合併し同じ町名になった)
実際実家があるのは国道から山側に入り車でも20分はかかる場所。

一昨年の話になるが、合併を控えてか地勢調査?とやらを行うことになり、
町役場主導でGPSを使い、山中の土地も含めて所有者を明確にすることになった。
と言っても四駆も入れない山中のことなので、
役場の担当者と土地台帳をにらめっこしながら山中を歩き回る…と言う苦行に自分も(長男なので)駆り出されたわけだ。
何分台帳の登記された時期自体が古いし、今ほど明確な線引きもされていなかったと見えて、
複数の名義が重複していたり、
二つ山越えた更に向こうの山のてっぺんに数十坪と、とんでもなくかけ離れた場所にうちの土地が、ということもあった。

作業も三日目に入ると年寄りが多いこともあり、
一応立ち会い人と言う形で、自分だけが担当者に同行するということになった。
かなり台帳の更新も進み、
あとは昔鉱山だった場所で、今は鉱毒(確かヒ素)の為に閉鎖されている区域の周囲を残すだけとなったその日の夜、
父に「あっ、この一山向こうにもウチの土地があるが、あそこぁ行かんでえぇけえの」と言われた。
「なーしてね?」と質問しても、口を濁して誤魔化そうとする。
「わししか立ち会い人おらんのじゃけ、行かにゃやれんろうが」と少しムキになり、結局翌日も同行することにした。

当日、例の閉鎖地を迂回して山一つ越えると、台帳には確かにウチの名義になる土地があった。…但し十坪のみ。
「昔の人の土地感覚ってのは理解できませんねぇ」と、自分は軽口を叩いたつもりだったが、
役場の担当者は笑っていない。
どうもその場所へは行きたくないらしく、「確認だけですから」と自分一人を行かせようとする。
どうして行きたくないのか理由を訊こうとしたが、父の様子を思い出して結局一人で行くことにした。

担当者を後に残し、ろくに手入れもされていない木立ちを準備してきた鉈で刈り払いながら進むと、
頂上、つまりウチの土地に近付いたらしく空が開けて見えてきた。
…が、『そこ』に近付くにつれ妙な違和感に襲われ始めた。周りを見回したが、特に異常はない。
役場の人の姿も既に遥か後方で見えなくなっている。
気のせいかと思い更に進んで、ようやく『そこ』に着いた。
…妙な場所だった。
山奥過ぎて里山としての手入れは絶対されていないはずなのに、
なぜか『そこ』に近くなるほど生えている木はまばらになり、
おそらくウチの土地であろう場所には下生えとも言えないほどの雑草しかなく、
そして何故かその雑草に縁どられるようにして砂場があった。
広さは十坪と聞いていたが、それよりもっと小さい。

雑草の縁に立ち、砂場を眺めてみた。
まるでザルか何かで濾過されたように肌目が細かく揃っていた。
当然雨ざらしのはずで、泥土になっていてもおかしくないはずなのに。
その砂場の中だけは雑草の一本たりとも生えていない。
ここも鉱毒に汚染されていて、その影響かと考えているうちに、ようやくさっきから感じていた違和感の正体に気付いた。
音がない。風がない。空気が全く動いていない。鳥の声も草ずれの音すら聞こえない。
周囲の風景は目に見えても、一切の動きが停滞している。
その砂を手に取ってみよう、砂場に入ってみようかと考えてたが、思いとどまった。
砂場のほぼ中央に、灰白色をした丸い形の何かがほんのわずか砂の中から顔を出していた。

家に戻ると、自分の顔を見ただけで父は何事か納得したようで、あの場所についての話はなかったが、
それについては自分なりにいろいろ考えてみた。
…が、納得のいく説明はどうしてもできない。
なぜ父は行くなと言ったのか?それに対する答えは、「あそこが“悪い場所”だから」と言うより他はない。
あそこに似た場所は、ひょっとしてあちこちにあるのかも知れないが、
幸か不幸か未だに詳しい由来は分からないままでいる。

 - 心霊スポット

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