号泣必至!!超泣ける話200話超デラックス

号泣必至!!超泣ける話200話超デラックス

*

思い出すと

   

私の家は4人兄弟の6人家族。

私一人だけ、他の三人とは年の離れた母の連れ子。

5歳の時に母が離婚して、今の旦那さんと再婚した。

一番上のお兄さんは、年が離れすぎてて仲良くなれなくて、長女のお姉さんは、母を嫌っていてなんか近づきがたかった。

母は新しい旦那さんに夢中になって、私のことなんて相手してくれなかった。

子供だった私は寂しくて、優しく接してくれる次男のお兄ちゃんに付きまとっていた。

その真ん中のお兄ちゃんは当時高校生。

幼い私を凄くかわいがってくれて、私のくだらない話を真剣に聞いてくれた。

絵を描くのが上手で、お話を作るのが上手で、家にいるときはいつも一緒だった。

お兄ちゃんには、とってもかわいい彼女がいて、私はデートについて行って、いつも邪魔ばかりしていた。

だけど、お兄ちゃんも彼女さんも、嫌な顔を一つもせずにいてくれた。

だから、お父さんがいなくてもお母さんが相手してくれなくても、寂しいとは思わなかった。

それから数年して、お兄ちゃんが彼女さんと結婚することになった。

私は悲しくて、泣き喚いて阻止しようとした。

デートについて行っては、彼女さんを困らせて「嫌いだ」と口走り。

いよいよ結婚する段になったら、お兄ちゃんにも「嫌いだ」と言い、話しかけられても無視して、「お兄ちゃん」とも呼ばなくなった。

結婚式の時、直前になって指輪を運ぶ役を嫌がって止めてしまい、披露宴でお兄ちゃんに読む手紙も、不貞腐れて結局読まなかった。

母や母の旦那さんが私を叱る中、お兄ちゃんと彼女さんは私を気遣って庇ってくれた。

それから半年ぐらい後の日曜日の真昼間。

お兄ちゃんと彼女さんは、居眠り運転のトラックに突っ込まれて即死した。

結婚式から一度も「お兄ちゃん」と呼ばず、なんとなく気恥ずかしくて気まずくて、昔みたいに接しないまま、真ん中のお兄ちゃんは死んでしまった。

後悔と言うか、何がなんだか分からなくて泣きもしなかった。

お葬式が終わって、二人の新婚生活の始末をした時に、5日後に迫った私の誕生日プレゼントが、押入れの中にしまってあったと、母から渡された。

「誕生日おめでとう。また一緒に遊ぼうね。」と、お兄ちゃんと彼女さんの連名で、大きな熊のぬいぐるみ。

人が死ぬということを理解したわけではないけれど、もう二度と会えないことだけはよく分かった。

その時初めて涙が出て、それからずっと泣き続けた。

今、高校生になってあの時のことを思い出すと、申し訳ない気持ちで一杯になる。

もし同じ立場になった時、今の私にお兄ちゃんや彼女さんと同じような態度が取れただろうか。

つまらない子供の話を、飽きもせずに聞いてあげられるだろうか。

いつもいつも付きまとう子供を、優しく抱きしめてあげられるだろうか。

二人きりでいたいはずなのに、お邪魔する子供を喜んであげられるだろうか。

アルバムの中のお兄ちゃんと私は、いつも凄く楽しそうに笑ってるのに、私が鮮明に思い出せるのは、「嫌いだ」と言われたときのお兄ちゃんの寂しそうな顔でしかない。

 - 男女の泣ける話

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