号泣必至!!超泣ける話200話超デラックス

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夏の思い出

   

夏といやあ空き地だよね。
夏休みじゃあないが夏の思い出を一つ。
俺が小さい時周りは空き地だらけで、よく草の中で妹と遊んだな~。
今じゃあ何十もあった空き地は全部消えてしまった。もうずいぶん前の話。

しばらくして一人実家から離れて京都に出てきて、大学遅刻ぎりぎりで自転車死ぬ気でこいでた時、ふとあの頃の草のにおいがした。
それが何というか、100%あの頃の匂いだったんだよ。こう、草のブレンド率と種類までまったく一緒だったんだと思う。
あんまり完璧だったんだね、体の方が心で感じる前に反応しちゃった。でなきゃあ泣いてる自分に気づかないなんて事あり得ない。
自転車こいで顔が火照ってて涙に気付かなかった。なんか体が動かしにくくなって自転車止めた。
したら泣いてたことに気付いた。ビックリした。懐かしさを感じたのはその後だった。

その時は不思議だったよ。何で俺が気付かないのに俺が泣くんだって。でも少しして思った。
もしかしてあの頃野を駆け回った子供の俺はまだ俺の中にいるのかもしれないなって。
いや、あの頃からずっといたのかもしれない。
心を殺した俺のなかで、汚い景色ばっかり見てずっとしぼんでた。それが、まったく同じ空き地を見つけた時、たまらなくなって俺の袖引いて、泣いちゃったのかもしれない。
「ねえねえ」って。「OO(妹の名前)はどこ?」「帰ろうよ」って。そう考えて初めて大人の漏れは激しく泣けた。

俺、その日大学休んだ。ずっとその空き地に座ってた。マジ。欠席理由:匂い、妄想育児休暇。たぶん日本初。
でも決して目は閉じなかった。目なんか閉じたらあの頃とまったく同じシチュだ。100%泣き崩れる自信があったよ。

あの空き地は次の日には別の匂いだったのかもう涙は出なかった。
こんなことならあの時目をつぶってりゃ、寝て夢でも見てりゃあって思ったけど、まあいいんだ。
どうだ、おい、まだ俺、腐って無かったよな?安心しろ、二度と忘れない。コンクリに囲まれても、子供の頃も今の家族も大切にするよ。

 - 子供の泣ける話

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