号泣必至!!超泣ける話200話超デラックス

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ナースコール

   

仕事に追われる毎日で、ついに身体をこわして入院した。
身体も壊れていたが、精神的にもズタズタの状態で、
人間不信になって生きていく気力がなくなっていた。
誰も信じられなくて、最初は看護師さんにもきつくあたっていたと思う。

手術後、医師から回復をできるだけ早めるため
身体動かすように言われていたにもかかわらず、
一人部屋だった俺は、すぐにナースコールして
暑いと言って窓を開け閉めさせたり
点滴の位置が悪いのでやり直せと言ったり
廊下の話声がうるさいと文句言ったり…

その都度、若い看護師さんは嫌な顔をせずに対応してくれた。

ある日、その看護師さんに検温してもらっていた時、
看護師さんの手首の裏側が見えた。
そこには3、4行の短い文章が書かれていて
その中の一つに
「○○号(俺の部屋のこと)9時窓」と書いてあった。

前に別の看護師から聞いた話だが
忘れたくないことは、手に書くことがあるそうだ。

昨日、一昨日とその時間に窓を開けるように頼んだことがあった。
今日はその時間に、呼んだわけではないのに部屋に来て
窓を開けていたのを思い出した。
その看護師さんは、そのことを覚えていて、忘れないように手に書いていたようだ。

俺は、口に出さなかったけどすごく嬉しかった。

次の日、歩行器を使ってだが、自分で立って歩いて窓を開けてみた。
ふらふらだったけど、窓から入ってくる風が心地良くて、
久しぶりに前向きな気持ちになれた。

退院する時に、シフトの都合であの看護師さんに挨拶できなかったけど、
病気を直すだけでなく、生きる気力を与えてくれたあの看護師さんに
感謝しています。

 - 仕事での泣ける話

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