号泣必至!!超泣ける話200話超デラックス

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妊娠

   

大学を卒業して、大手企業に就職したばかりの四月、妊娠が発覚した。
えっ?何で? これが私の正直な気持ちだった。
苦労して入った大学、氷河期に死ぬ気でとった内定、やりたい事、やる
べき事がまだ山のようにあった。
自身の未来を考えて、即座に堕胎を決意した。

隣町の産婦人科へ行き「おろしますか?」と聞かれたとき、なぜか「は
い」と答えられなかった。
それから会社を辞め、主人と話し合い入籍。
結婚式や新婚旅行どころか、指輪さえもらえなかった。

胎児は順調に育ち無事出産。しかしここからが本当の戦いだった。
育児は思っていた以上に苦しく、毎日子供に怒鳴りちらす生活。
「お前なんか産まれてこなければよかった!」
「お前がいなければ、私は東京でやりたい仕事をしてた」
「お前のせいで、結婚式もできなかった」
毎日毎日、子供を責め旦那を責め、自身を責めノイローゼになった。
本気で死んでくれないかと思った事すらあった。

子供が1歳になったある日、体調不良で病院に行くことになった。
結果、かなり進行した子宮ガンだった。
私は23歳で子宮を全摘出した。

今息子は2歳になろうとしている。
朝起きると自分がご飯を食べる前に、バナナを私の口に入れてくれる。
私が朝が弱いことを知った上での行為だ。

あの時、堕胎しなくてよかった。
子宮摘出手術が終わったその日、私はベッドの上でおもいっきり泣いた。
悲しかったわけではない。嬉しくて、嬉しくて涙が止まらなかったのだ。
「息子は神様がくれた最初で最後のプレゼントだったのね」
そう思うと息子と主人に感謝の気持ちでいっぱいになった。

OOOくん本当にありがとう。
産まれてきてくれて、本当にありがとう。
こんなにくだらない私をママにしてくれて、ありがとう。
そしてこの世に出るためにママを選んでくれてありがとう。

あなたに逢えて本当によかった
うれしくて
うれしくて
言葉にできない

この歌をOOOくんとそのパパに・・・

 - 子供の泣ける話

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